オールオン4のインプラントメーカーについて

オールオン4はもとよりインプラント治療を受ける際には、施術に使用されるインプラントのメーカーもしっかりと確認すべきです。実はひと口にインプラントと言っても、手掛けるメーカーは世界に数百とも言われています。品質や性能はまさに玉石混合で、なかには粗悪なものも存在しているので注意が必要なのです。

また個人ごとの相性もあり、インプラント製品の多くは金属アレルギーの方には適しませんが、なかには可能なものも存在しています。患者の立場からも、インプラントのメーカーに関する知識を深めておくことをお勧めします。

ここでは、インプラント製品を手掛ける主要メーカーについて、各社の概要や製品についてご紹介していきたいと思います

精密機械産業が盛んなスイスのバーゼルに本社を構えており、後述するノーベルバイオケアと並ぶインプラント界の2大巨頭と言ってよい存在です。インプラント製品のリリース時期に関してはライバルであるノーベルバイオケアに遅れをとったものの、SLAサーフェイスと呼ばれる独自の表面加工を施し骨とより強固に、より短期間で結合させることに成功。現在も、世界的に高いシェア率を誇ることで知られています。

上記の通り、骨への結合がより強固という特徴があるため、オールオン4においてもストローマン製インプラントを用いるケースは多く見られます。一例として、先端部を細身としやわらかい骨などの場合でも初期固定が得られやすい「BLT ボーンレベルテーパード」という製品を使用したオールオン4の施術事例が、ネット上にて紹介されていました。

スウェーデンのブローネマルク博士が発見した骨に結合する歯科インプラントである「ブローネマルクタイプのインプラント」を、1965年に世界で初めて製品として完成させた、スイスのメーカーとして知られています。
参照元：ノーベルバイオケア／ブローネマルク システム

インプラントシステムのパイオニア的存在として、日々研究開発に勤しんでおり、4本のインプラントで片顎全体の歯を支えるオールオン4という方式自体も、ノーベルバイオケアによって考案されたものです。

スマートフォンや各種家電製品、太陽光発電システムなどを手掛ける大手メーカーとしてお馴染みですが、実はインプラントに関しても1978年に日本初となる製品を発売開始したことでも知られています。日本メーカーであるがゆえに、欧米人に比べ骨格が比較的小さい日本人によりマッチするように製品造りをしており、また日本製という安心感も大きな強みとなっています。
参照元：京セラ／製品紹介

主力商品として「POIEX / HACEX」があり、「FINAFIX」と呼ばれる陽極酸化処理によって審美性をより重視したものと、「FINATITE」（またはHAコーティング）と呼ばれる、歯によい成分として知られるハイドロキシアパタイトを、インプラント体の表面に使用しているタイプが選べるようになっています。

東京・品川区に所在する会社で、元々は金属加工やプラスティック加工などを手掛けてきたという社歴を有しています。そうした経験やノウハウを活かして、1997年に自社オリジナルの「マティスアローインプラント」を開発。元々得意としていたチタン加工に関する知見を駆使して、様々な機能のデザインを付与し、また日本人の顎骨形態に合わせた設計としていると訴求。

加えて、上下顎の様々な骨質にも高い骨接触率で接合するように、ABS処理というものも実施。β－TCPとアパタイトという物質の共晶セラミックスを用いて表面にブラスト処理を行い、酸処理を行わず純水による洗浄を行うことで、より強く骨と結合するように工夫を凝らしているとしています。